金について
金とは?
金は、密度の高い光沢のある黄色貴金属であり、幾つかの金特有の性質により、人類の歴史を通じて、極度に価値の高いものとして認識されてきました。
金は、色と輝きが魅力的であり、化学的に安定で腐食せず、展性延性など作業性にも優れています。
したがって、古代エジプトやクレタ文明の手細工で入念に仕上げられた金宝飾品が、ほぼ完全に近い形で残されています。
また、金は品物やサービスの代価として全世界で受入れられてきた唯一の物質です。
世界の通貨システムの中で金は1970年代でその役目を終えたましたが、現在でも世界の金の45%は各国政府や中央銀行により準備資産として保有されています。
金の歴史
世界最古の文明を残したシュメル族(BC6000~5000頃)は、すでに金製品を用いてたようで、こうした金製品が発掘されています。
その後古代エジプトの第18王朝(BC1350年頃)のツタンカ-メン王のひつぎは、1922年に発見されましたが、3000年余りたっても、その金色の輝きは衰えを見せていなかったとのことです。
金の歴史は、人類の歴史と共に歩んでいます。
金の供給
古代文明の頃からすでに人類は金を手にしていましたが、今日までに生産された金は、わずかオリンピックプ-ル約3杯分(1998年末で約137,000トン)と言われています。
金の供給は、1999年には、全世界で4,092トンとなっており、内訳を見ると鉱山生産量が2,576トン、公的部門(中央銀行等)からの売却が420トン、中古金スクラップが613トン、ネットヘッジが484トンとなっています。
金を含めて貴金属は、それが使用されなくなった時、溶かして精製することにより、新たな貴金属として使用できるようになります。
1999年にはこの金スクラップからの回収量が全体の約15%にもなっています。
鉱山からの産金量では、南アフリカが第1位ですが、その産金量は1970年の1,000トンをピ-クとして減少を続け、1974年から1993年の約20年間は600~700トン台を維持してきましたが、1994年に600トンを割り込み、1996年には500トンを下回り、以後減少傾向が続いており、1999年には450トンとなっています。
金の需要
金の需要としては宝飾品が圧倒的で、1999年には需要合計の約3/4を占めています。
1999年には、金の需要合計は、4,092トンとなっており、宝飾品以外の需要としては、金塊退蔵が230トン、退蔵投資が276トン、そして工業用等その他の需要が594トンとなっています。
宝飾品需要を国別で見ると、1999年の数字では、インドが618トンで第1位となっており、日本は第19位の43トンとなっています。
金の価格
金の国際価格は、通常トロイオンス(31.1035g)当りの米ドルで表示されています。
このトロイオンスとは、貴金属だけに使用される独特の単位です。日本においては、通常グラム当りの円で表示されています。
金の小売価格が最高値を記録したのは、現時点では1980年1月21日の6,495円(グラム)です。
このように金小売価格が高くなった要因として、1979年から1980年初頭にかけて金の国際価格の上昇と、米ドルに対する日本円が安くなったことがあげられます。
金の用途
一般に、金は、
1)貴金属として地金や金貨などの投資用、
2)指輪やネックレスといった宝飾用、
3)半導体のボンディングワイア(金線)に代表されるエレクトロニクス用、
4)さらに歯科治療用、
5)その他装飾用、
に用いられています。