金をもっと知る
金地金のできるまで
鉱物は、地球の奥深いところで何百万年、何千万年、静かにゆっくり時間をかけて分離と濃縮を繰り返し、熟成されます。
歴史に人類が登場すると、鉱物のなかでも、とくに光り輝く黄金がまず最初に目に止まり、権威の象徴として、また財宝として深くかかわり合うようになりました。
金生産国トップ10
世界の金鉱山生産量は、ここ数年2500トン~2600トンのレベルにあり、年間総供給量のほぼ6割強を占めています。
過去数年にわたって、各国の鉱山会社では開発コストの削減、開発技術の向上を進めた結果、毎年微増となっていましたが、ここにきてM&AおよびM&Aによるリストラが進行し、老朽化した鉱山の閉山も進んでいるようです。
こうしたことから、今後、金鉱山生産量は横ばい、あるいは緩やかに減少するのではないかと予想されています。
しかも生産量は上位10ヶ国で全体の75%を占めていることから、20年後も30年後も現在の生産レベルが維持されるかどうかについては悲観的な見方が大勢です。
国別では、
南アフリカ 343トン 91%
米国 262トン 93%
オーストラリア 258トン 91%
中国 217トン 105%
ロシア 182トン 100%
ペルー 173トン 101%
カナダ 129トン 91%
インドネシア(註) 114トン 70%
ウズベキスタン 84トン 105%
パプア・ニューギニア 75トン
となっています。
金の含有場所は?
金は全ての火成岩中に低品位で含まれており、地殻中には0.005/1,000,000の割合で存在しています。
テルル、セレニュウム、ビスマス以外に化合物を作らず、しばしば銅や鉛鉱床に共生します。
高品位鉱として産することは稀であり、銅や鉛製錬の副産物として回収されます。
金が算出する状態は?
産状は石英や黄鉄鉱と共生する熱水性鉱脈と金鉱石の風化に由来する漂砂鉱床の2タイプがあります。
岩石中の金は稀にフレーク状に見えることもありますが、普通は目に見えない位の粒で、固まりや脈として見えることはまずありません。
古代エジプトやメソポタミアの金は漂砂鉱床からのものでした。
金の性質
純金は非常に軟らかいので、他の金属を混ぜて硬度を上げ、宝飾品や通貨に用います。
宝飾品には、銀、銅、若干の亜鉛を混ぜ、種々の黄金色を出します。
また、ホワイトゴールドは、ニッケル、銅、亜鉛の合金です。
銀の割合を増やすにつれ黄色から白色へ変化し、銀70%以上で、白色を呈するようになります。
金はなぜ金色に輝くの?
黄金に輝く金の色は、黄色光の波長である5,600オングストローム以下の電磁放射線を吸収し、以上を反射する金原子の電子構造によるものである。
このことから、金は、われわれの眼に黄色光に輝いて見えるのである。